TL作家の春璃先生、生の資料をご所望です!
作品情報
「僕のために一肌脱いでくれる覚悟はあるんだよね?」憧れのTL作家・春璃先生の担当になった新人編集者の歌恋。さっそく挨拶に向かった彼女を待っていたのは、なんとHな場面の執筆を助けるための体当たりの資料協力! 悩みつつもそのお手伝いを受け入れた歌恋は『生の』資料となるため、これはあくまでお仕事と自分に言い聞かせながら、先生に抱かれることに。けれど彼の甘い囁きと極上の愛撫に、気づけば翻弄されっぱなし。さらに、ひょんなことから歌恋の同僚に嫉妬した先生が、まさかの独占欲全開モードに入って――!?
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――いいの? 本当に? これ、仕事って言い切れる?
ぐるぐる考えているうちに眉間に力が入ってくる。
「どうしてそこで立っているの? 座っていれば良かったのに」
不意に耳元で声がして、ぎゅうっと抱き締められた。考え事に没頭していて寝室のドアが開く音に気付かなかったようだ。
「ひぁっ!?」
「ああ、君抱き心地良いね。悪くない」
ちゅっ、と耳朶にキスされる。キスはしないという約束はマウストゥマウスの話だけなのか、それともこれが彼の癖なのか、首筋に何度も口付けられる。
「んっ、ぁ……っ!」
「ははっ、良い反応」
反応の良い子は好きだよ、と低く囁かれて、ずくりと胎の奥が疼く。ダメだ、この声、子宮にクる。一気にそういう気分に持ち込まれる。そのまま肩を抱かれてベッドへ。押し倒してきた彼は、お風呂上がりで腰にタオルを巻いただけの格好だった。
「服、着ちゃったんだね。どうせ脱ぐんだからそこまでちゃんと着なくても良かったのに」
そう言いながら彼は指を絡めるように手を握ってきて、甲やら手首やら指先やらと、あらゆるところに口付けられる。
「それとも、脱がせるところから参考になるようにしてくれた? っは、仕事熱心。良いね」
あまりに優しい触れ方に、これは仕事の一環でしかないんだから、春璃先生とは恋愛禁止なんだから、と何度も頭の中で繰り返す。
――普段からこんな抱き方をしてるんだとしたら、それは相手を誤解させるだろうなぁ。
はっきりと好きにならないと宣言されていなければ、私も危なかった。
彼の手はあまりにも気持ち良くて、触り方も声も優しくて、触れられた場所にじりりっと局所的な快感が走る。押し付けられる唇から、じわりと甘いものが身体の奥まで広がる。耳も、首も、鎖骨の辺りだけではなく、こめかみや手の平・指先など、今まで気持ち良いと感じたことのない部分まで脳に快楽を伝えてくる。
その快感は、この綺麗な顔と良い声の男から与えられているのだ。簡単に女の子が落ちるのもわかる。イかなかった子はいないというのも、あながち誇大表現ではないのかもしれない。
「ぁ、ん、んぅ……」
優しく触れられると、演技でもなんでもない声が自然と出てしまう。こんなに気持ち良いのは、困る。仕事だと、割り切れなくなる。